ハイスクール・シーフ



日常(1/6)




次「駿一、駿一!オレ、また予告状出した!!」


オレは次郎。でも、本当の名前は洋次郎なんだ。
親も次郎って呼ぶくせに、なんで洋次郎なんだろう?
親に訊いたら、親父が好きなグループに洋次郎がいるかららしい。その名前を息子につけるのはどうかと思うけど。


駿「またかよ?オメーも好きだよな、そういうの‥‥‥」


駿一は呆れながら言ってきた。
オレは駿一達と一緒に探偵をしているけど、同時にオレは怪盗でもある。
つっても、オレが怪盗ってのを知っているのは駿一だけだ。
こいつはオレが仕掛けたトリックを見破り、オレが怪盗『Time Jumper』ってのも突き止めた。
本来なら犯罪者を捕まえなきゃいけない立場の駿一はなぜかオレを見逃した。理由を訊いたら「オレは狙われたものを守れとしか言われていないから」とよくわからないことを言っていた。


駿「今度は何を盗むんだよ?」


次「昔、かの武田信玄が書いたと言われている巻物だよ。鑑定家も調べてぱちこいていたけど、あの筆跡の跡や掠れ目はどう見ても数百年以上も前のものだよ」


駿「へーへー、それはよかったな」


オレが話していても駿一は興味を示さない。
つれないヤツだよ、本当に。


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