あのね、ずっと、
あのね、ずっと、 (1/2)
あたしは夢を見ていた。
あたしの隣には遥希の姿。
遥希もあたしも笑顔で…
―――――
パッと目を覚ます。
黄色い電球に白い天井。
においも静けさもいつも通り。
「夢か…」
あたしは佐々木悠里。
大きな大学病院に入院中。
長ったらしい名前の
病気に冒されている。
「遥希…」
涙が頬を伝った。
遥希とあたしは付き合っていた。
病気になって、あたしから
一方的に別れを告げた。
それでも毎日会いに来てくれた。
日に日に痩せていくあたしを見て
遥希は少し悲しい顔をした。
それを見てあたしは
もう来ないで、って何度も
遥希を突き放した。
どんなに突き放しても
次の日には『悠里〜♪』なんて
言って病室にくる遥希。
ある日、遥希は文化祭の
写真を見せてくれた。
みんなの笑顔が遥希の笑顔が
つらかった。苦しかった。
「こんなの見せて何したいの?
お前がいなくても楽しいよ、
って見せつけたいの?
…あたしの気持ちなんて
健康な人には分かんないよ!」
いつの間にかこう叫んでた。
違う。こんなこと……
「ご、ごめ
『そ、そうだよな…
ごめん。ほんとごめん。』
謝ろうとするあたしの声を遮って
遥希は帰っていった。
それから遥希が病室に
くることはなかった。
「遥希…ごめんなさい。」
夜になるとあたしは1人
声を殺して泣いた。
ゴホッゴホッ
最近体調が優れない。
苦しい。
遥希…遥希…
名前を呼びたいのに
酸素マスクが邪魔をする。
心配するみんなの顔。
お母さん、泣かないでよ。
お兄ちゃん、久しぶり。
まだ午前中なのにお父さんまで。
あ、あれ?
遥希?
遥希がいる?
まさかね。
「は、るき……ご、めん……」
ごめんって言いたいのに。
意識が朦朧としてくる。
『―うり!悠里!』
遥希が呼んでる。
「は……るき……」
ピーーーーーーー
とても寒い日だった。
遥希、風邪引かないでね。
遥希、幸せになってね。
遥希…遥希…遥希…
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