冷凍エビピラフ
▽ ピ (1/2)
▽恐怖
…こんな非現実的なこと、起こるわけない。
あたしは力拳を握り、
自分の頭を力いっぱいに殴ってみた。
そして、
目を閉じ深呼吸をし、再び目をゆっくりと開けてみる。
夢じゃない…
床に目をやれば、
エビだった物体が、今にもあたしに巻き付きそうだ。
あたしは急いで部屋を飛び出した。
とにかく無我夢中で走った。
・
・
・
・
ハァ、ハァ、ハァ…。
ヤバい体力ない…。
立ち止まり、後ろを振り替えってみる。
ホッ…と、胸を撫で下ろす。
どうやら、近くには何もいなさそうだ。
辺りは静まりかえってる。
もしかしたら、疲れてただけなのかもしれない。
もしくは寝坊けてただけなのかもしれない。
こんなに走ったのは学生の時以来、無かった気がする。
呼吸を整えながら歩いてると、コンビニを見つけた。
…喉渇いたな。
あたしはコンビニへと駆け込んだ。
他に客はいない様だ。
夜だからかな?店員も見当たらない。
飲み物を選び、アイスクリームや氷を陳列してあるコーナーを横切った。
ボンッ。
あたしは選んだ飲み物のペットボトルを落とした。
「嘘でしょ…
もう、泣きそうになってきた…。
アイスや氷の横に、僅かに置いてある冷凍食品。
その中に、忘れもしないパッケージを見つけてしまった。
冷凍エビピラフ
しかも、膨張している。
破裂するのも時間の問題の様だ…。
こんなとこにはいられない。
あたしはペットボトルを拾うのも忘れ、
そのまま店を飛び出した。
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