7[ワルガクの日常](1/8)
サツキside
『欠陥品…サツキ…愛してる…』
誰?やめて…私を呼ばないで…私は、ケッカンヒン ……?あぁ、お母さん?…みんな嘘つき…愛してなんかいないのに…
私なんか…愛されないよ。私みたいな欠陥品、誰も好きにならない。
ケッカンヒン…ケッカンヒン…ケッカンヒン…ケッカンヒン…ケッカンヒン
「サツキ…サツキ?」
兄の呼ぶ声で目が覚めた…ゆ、め…夢だった。
「うなされてたけど、大丈夫か?」
ベッドの中…腰にまわった兄の腕に力が篭る。一人で眠ったはずなのに…兄は毎晩、ベッドに潜り込んでくる。
兄の質問には答えず…腕を振り解き ベッドから起き上がる。無言で部屋を後にし、朝食の用意をする…
兄は「好きだ」と言った夜から私のベッドに必ず入ってくる…1人で眠った夜だって、朝になると隣で眠る兄。幼い頃のように、私を抱きしめ眠る兄…私を好きだという兄…唇を重ねる兄…
逆らえない、けど…答える事もできない。
いつまでたっても答えなんかでない…愛なんていらない…愛なんて知らない…
私は、兄の分の朝食を用意すると、そのまま家を出た。
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