1/27 蒼白 思春期、あるいは青春という時代に、二人の間に空いてしまった時間は急速に埋まっていくようだった。 章は宣言していたよりも一つ多くの季節限定のハンバーガーまで平らげ、陽は呆れて大笑いした。 雲一つない空の低い位置から、陽の顔を覗き込むような太陽は微笑ましいと思いながら照っているのか、それとも陽の近い未来の不安を一緒に案じているのか。 やがてどこからともなく現れた厚く重たい雲に隠されていく太陽に、二人は全く気付かずにいた。 つかの間の安らぎに身を委ねているだけだとしても、誰にもそれを責めることは出来ない。 親という大義名分を振りかざすオトナの身勝手な都合で振り回されて今にも崩れ落ちそうな陽の気持ちにさえ、オトナは気付かずにいるのだから。 |