1/30 水色 陽が親について考え込んでいるうちに、章と出会って二人で弁当を買ったコンビニに着いた。 『本当にここで大丈夫か?』 礼二は心配そうに陽に尋ねた。 『大丈夫。ありがとうございました』 『なんかあったらオジサンにも連絡してこい』 礼二が差し出した右手には、稟のときと同じように礼二のプライバシーの一部である名刺があった。 ゆっくりと発進した稟の車を見送るのは二度目になった。 開けた窓から手を出し、礼二は軽くその手を振っていた。 コンビニでジュースやお菓子、あるいは明日も困るであろう食べ物を調達しようと思い立つ。 コンビニの入口に向き直ると不意に中から人が出てきた。 章だった。 |