半熟タマゴ

1/41 群青




家を出てから二時間も経過していないのに、玄関にまた陽は立っていた。




沙耶は陽が高校に入ってからはずっと寛大だったし……
陽介に関しては、陽の私生活にはまるで関心を持っていないに等しかった。




たとえ、早退をしたとしても、怒鳴り散らされることなどない。




それは、陽の一線を超えない程度の素行を信頼してのことだったかもしれない。



いや、違う……。




このところ、沙耶は陽に気を回すことすら出来ない状態だっただけだ。









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