半熟タマゴ

1/41 純白




残暑の空は……
遥かに高くて……
哀しいくらい蒼くて……

無性に陽の孤独を煽った。



麻衣を疎ましいと感じてしまう陽は、自分自身の中に荒んだ何かがあったことに本当は気付いていたはずだった。




何故だか母の惨めな背中ばかり……思い出した。





でも……家庭の環境不全を理由に、自分の《今》が荒んだなどと、言いたくはなかった。




その思いは、空回りばかりで……
強く言い聞かせるほどに、陽の何もかもはうまくいかなくなった。







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