姉弟(1/6)
ピピピピッ。
スマホのアラームが鳴り、即座に止めた。
窓際の花柄のカーテンを豪快に開けると、朝陽がとても綺麗に輝いていて、朝からパワーを貰えたようで気持ちいい。
思い切り伸びをする。
「さて、凜の部屋に行くか」
あたし、藤堂加耶(トウドウ カヤ)の朝のはじまりは、義理の弟の凜(リン)を起こすことから始まる。
凜の部屋は、あたしの部屋の右隣。
ドアノブをカチャリ。
よしっ、今日は鍵がかかっていない。
そっとドアを開けて、弟の部屋の中にこっそりと足を踏み入れる。
凜は、ベッドの中に潜り込んでいるみたいで、アッシュブラウンの髪の毛がちらほらとこちらから見える程度。
これはまだまだ夢の中かな。
仕方ない。
唇に不敵な笑みを浮かべ、そのまま、凜の形をした掛布団のカーブをめがけて思い切りダイブッ。