電車内恋愛
あたしと松村さんと恋の話 1/20
今のあたしは、
端から見たら気持ち悪いくらい
ニヤニヤしているだろう。
一人暮らしでよかったぁ…。
ふふふ、と笑いが漏れる。
口に運んだじゃがいもが、
びっくりするくらいおいしい。
「はあぁー…」
単純だなあ、と思いながら
もう何度目かの回想をする。
━━━
━━━━━
「奏太さんっ!!」
「…あ?」
数十分前。
電車の中、隣に座った
奏太さんは居眠りをはじめた。
隣という密着した状態と、
寝てしまったせいで
何もしゃべらない奏太さんに
緊張しはじめる。
近い…っ。
思わず目を泳がせていると、
ぽすん、と。
小さな音をたてて
あたしの肩にのった、頭。
恐る恐る横を見ると、そこには。
もう予想通りに、
あたしの肩にもたれる奏太さん。
すー、すー、と
小さな寝息に、長いまつげ。
茶髪がすごく似合う。
…っ、やばいやばい!!
好きな人が、
自分にもたれて寝る、なんて
そんな漫画か小説みたいな
シチュエーション。
何これ、殺される…!!
ほんとに、心臓が
壊される気分だ。
.
back|next
-82-
>>siori
HP
⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?
[編集]
<<<back