電車内恋愛 あたしと松村さんと恋の話 1/20







今のあたしは、

端から見たら気持ち悪いくらい

ニヤニヤしているだろう。


一人暮らしでよかったぁ…。


ふふふ、と笑いが漏れる。


口に運んだじゃがいもが、

びっくりするくらいおいしい。


「はあぁー…」


単純だなあ、と思いながら

もう何度目かの回想をする。






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「奏太さんっ!!」


「…あ?」



数十分前。

電車の中、隣に座った

奏太さんは居眠りをはじめた。

隣という密着した状態と、

寝てしまったせいで

何もしゃべらない奏太さんに

緊張しはじめる。


近い…っ。


思わず目を泳がせていると、

ぽすん、と。


小さな音をたてて

あたしの肩にのった、頭。


恐る恐る横を見ると、そこには。


もう予想通りに、

あたしの肩にもたれる奏太さん。


すー、すー、と

小さな寝息に、長いまつげ。

茶髪がすごく似合う。


…っ、やばいやばい!!


好きな人が、

自分にもたれて寝る、なんて

そんな漫画か小説みたいな

シチュエーション。


何これ、殺される…!!


ほんとに、心臓が

壊される気分だ。





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