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 §10.支えになるもの  1/9

 〜直樹 side〜


「で、順調か?」


俺が北海道に戻ってから
3週間…


連絡を寄越さない拓海を
とうとう捕まえた


「おぉ−!
聞いてくれよ、直樹−!

茜ちゃん、今回の英語
クラスで最高点だぞ!

スゲーだろう?」


「………阿呆か、お前?」


呆れてものが言えない


「何がだよ?

失礼な奴だな……」


拓海の声が、少し低くなった


「俺が聞いてるのは、家庭教師としてのお前にじゃねぇ−よ!

親じゃあるまいし…」


「あ?じゃなんだよ?」


拓海の低い声は直らない


「茜とは、順調かって聞いてるんだろうが…」


全く、鈍い奴だ


「な、
馬っ鹿じゃね−の?//」

わっ、取り乱した…


「久しぶりに聞いたな…

お前の
“馬っ鹿じゃね−の?”」


「う、うるさいよ!」


噛んだ、
まだ動揺MAXらしい





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