Distance

 §3.動きだした時間  1/15

 みんながソファーに移動して、私だけが食卓に残った


拓海さんの視界から外れて、私はやっと息を吐く


その時、ソファーの横のテーブルに置いてあった私の携帯電話が着信を告げた


「茜、電話だぞ?

     ユウキ
ああん?“祐樹くん”って何だよ?男から?」


「わ〜!早くっ!いいから渡してよ〜!」


奪い取るように、携帯電話を受け取り通話ボタンを押した


兄の視線が、突き刺さりそうだ


なんか、お父さんみたい




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