華の恋
●高校1年生 秋(1/34)
9月。
文化祭の準備も大詰め。
まだまだ暑いのに
日が暮れるのは少しずつ早くなって
秋が近づいていることを
感じることができる。
その日は休日。
用事があったため
文化祭の準備には行かずに家にいた。
予定の時間はまだ先。
何もする事がなく、暇な私。
メールよ〜〜来いっ!
…なんて携帯電話に
念を送ってみたりしていた。
何でも本気でするにこしたことないと思った。
思いは通じるんだ。
彼から電話がきた。
信じられなくて
何度も画面を見たけど
着メロも着信ランプも
彼専用のものだった。
メールすら来ないのに
電話が来るなんて思ってもなくて
心を落ち着かせるために
大きく一度だけ
深呼吸をしてから電話に出た。
「もしもし?」
『うん?』
「あんなぁ…」
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