机
*机 (1/10)
━3月のある日。
今日、私は卒業する。
三年間通った
学校とさよならする。
「みっ、深由(みゆ)〜」
親友が泣きながら
抱きついてきた。
「里穂(りほ)、
泣きすぎだよ」
まだ式始まってないのに、
と里穂の頭を撫でながら笑う。
「今まで、ありがとね…」
鼻をすすりながら、
里穂が、ボソッと
つぶやいた。
「なに言ってんの!!
これからもよろしく、でしょ?」
私がそう言うと、
里穂はそうだね、と笑った。
私の首から
腕を抜いた里穂は
涙を拭い、
「…翔(しょう)くんも
一緒に卒業したかったね…」
一つの机を
見つめ、そう言った。
私は微笑んで、
「式始まるよ!!いこ!!」
里穂の手を握り
廊下にでた。
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