裸足の女神達 ～days in NUDE～
[美咲④](1/1)
美咲が風俗業界に足を踏み入れて、早三ヶ月が過ぎた。
借金を返す為にとはいえ、半ば強制的に働く事になったこの仕事…
しかし、元々エッチが好きな美咲にとって、思った程苦痛ではなかったし、それどころか仕事を楽しんでいるそぶりさえも見受けられる。
当然、そういう姿勢は客にも伝わり、必然的にリピーターが増える事になっていった。
そうして美咲は早々と、フェアリーで人気風俗嬢の仲間入りを果たしたのだった…
「あ～ 腹立つ！」
事務所の待機部屋に戻って来たハルカだが、かなり怒っているようだ。
「ハルカさん、お疲れ様。なんかありました？」
「おっアイリ。今日はこれから？」
「はい、そうです」
美咲は、フェアリーではアイリと言う源氏名で働いている。
「ふ～ん、ツイてるね」
「…何の事です？」
美咲には、ハルカの言わんとする事がイマイチわからない。
「客運だよ」
「…客運って、今出勤してきたばっかりなので、まだ誰とも当たってませんけど」
「だからなんよ！」
「……？」
美咲がフェアリーに来て、最初に仲良くなったのがハルカだった。
普段は明るく、人当たりも良いハルカだけに、美咲としては少し戸惑いを感じる。
「いったいどうしたんです？」
ハルカは美咲の質問には答えず、事務所の冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、一気に飲み干した。
そして椅子に座り、タバコを吸いだした。
美咲はその様子をじっと見つめ、ハルカが話し出すのを待っている。
「さっきの客なんだけど… まあ、私達が嫌がる事のオンパレードでね。もしかしてわざとやっているかなと思ったぐらいなんよ」
「常連ですか？」
「ううん、写真（指名）で来たみたいやし、多分初めてやと思う」
「で、どんな事を？」
ハルカは吸っていたタバコを乱暴に消した。
「まず『何日お風呂に入ってないんか』ってくらい臭い！当然服も臭いし汚いし！」
喋っているハルカにつられて、美咲も顔をしかめる。
「うわぁ… それはキツイですね。いくらホテルに風呂があるとはいえ…」
「たまにいるんよ、こういう奴。とは言っても、ここまで臭い奴は初めてやったけど」
「普通の人なんですか？」
「どういう意味？」
「もしかしてホームレスの人じゃないんですか？」
うーんと唸るハルカ。
「違うと思うけどねえ。大体ホームレスがこういうトコ来るかな？」
「それはわからないですよ。ホームレスの人でも、お金があれば風俗に来るでしょうし。何か臨時収入があったかも」
「たとえそうだったとしても、もっと安い風俗に行くんじゃない？ウチは初めての客やったら、一番安いコースでも一万円は越えるし」
「そう言われればそうですねえ。じゃあ何者なんですか？」
「さあねえ。とにかく嫌すぎてあんま話しなかったんよ。気に入られて指名されたら嫌やし」
「ま、ハルカさんの気持ちもわかりますけど… でも他の娘からみたら贅沢かもしれませんよ」
美咲のこの問い掛けに、ハルカは少し悲しそうな表情を見せた。
「それは直接あの客に対応してないからよ。それにさっきも言ったように臭いだけじゃないんよ…」
「他にどんな事を…？」
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