死神のメモ帳
[II 人食いs.](1/15)
「お姉ちゃん…なんだか運転上手くなってない?」
キュウちゃんのその言葉に声を若干外しながら…
「まぁ移動できれば?いい、いいのよ。」
内心嬉しいのだろう…そう考えるとキュウちゃんの笑いが止まらなかった。
「あぐ…」
しかし運転は急に荒くなる
「お姉ちゃんだめだめ!?」
違う私だけのせいじゃない、これはーー
車は蛇行運転を繰り返しトンネルの前で横に倒れ進んでいく。
……
ゆっくりと近づく男
「こんなんで死には死ねぇよなぁぁぁ!?」
「当たり前…よ!」
男は手を前にかざす暇もなく死神の鎌が襲いかかる。
ぬる…
服だけが斬れ鎌が通り過ぎる
「…ぬめり?」
「捕獲を始めますねぇ」
その言葉にキュウちゃんが死神の前に飛び出す
ベタベタベタベタベタベタ…
ぬめりがキュウちゃんを覆っていく
そして男の体もだんだんと目が飛び出しさらにぬめりが現れる
ナメクジ…粘液をだす生き物で草を主に食べていると言う。そのぬめりは移動方法にも使われていると言われ… ナメクジは大嫌いである。理由はただ一つ
鎌で斬れないから
目の前にいるのに助けられないままナメクジ男は粘液に覆われたキュウちゃんを連れどこかに向かっていく。
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