▲ 嘘 と 言 葉 が 最 大 の 武 器 ▼
[▷ 美 少 女 潰 し](2/58)
クラス表の前で群がる同級生をぼんやりと後ろから見つめる。
みんな邪魔すぎ、見たらさっさとどいてよ。
心の中で悪態をつく私、橋本夢叶 ( はしもと ゆめか ) の嫌いなものは、人混み、虫、夏、英語、ノリの長い奴etc…
そんな私があの人混みの中に入っていけるはずもなく、溜息をつく。
「 ほんと人混み嫌いだね ( 笑 ) 」
その隣でスマホを触りながら話しかけてくるのが幼馴染の橋元愛香 ( はしもと あいか ) 。家が隣同士な上に、苗字が同じだから、という理由で親同士が意気投合し、幼い頃からずっと一緒だった。
愛香は頭こそ悪いものの、アイドルなんかよりもずっと可愛い顔をしてる。だから女子からの僻みは当たり前。同性の友だちなんて私くらいじゃないだろうか。
「 今年何組だろうね〜。」
「 今年こそあんたと離れたい。」
「 そんなこと言って〜!小学校の頃からの腐れ縁なんだから〜!」
「 早く切れてしまえばいい、そんな縁。」
そんな会話をしていると、後ろからふいに肩を叩かれる。
振り返れば学年1イケメンと言われている深田洸人 ( ふかだ ひろと ) と、顔は悪くないはずなのに、イケメンのそばに居るせいで霞む、と言われている山岸健太 ( やまぎし けんた ) がいた。
「 健ちゃん、クラスどうだった?」
「 ふっふっふ、聞いて驚け!俺たち4人一緒!!」
「 ほんと?今年は当たりだね」
健くんと愛香が2人で盛り上がるのを見つめていればさらりと髪を撫でられる。
「 今年1年、一緒にいられるの嬉しい。」
「 あんたにその言葉言ってもらいたい人、この学校に何人いると思う?」
「 俺は夢叶にしか言いたくない。」
そう、このイケメン洸人くんは、このなんの取得もない私の恋人なのだ。知っているのは愛香と健くんだけ。こんな人気者と付き合ってる、なんて知れたらどうなるかわかったもんじゃあない。
イケメンで勉強もできて性格も良い、モテる要素しか持っていない此奴は鼻につくけど、なんだかんだ上手くやっている。
ちなみに愛香が健くんと付き合い始めたのも洸人が仲介していたらしい。
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