カズくんの喜び
[第3章 衝撃](1/23)
みんな家に帰っていった。
俺は1人でベッドの上で外の景色を眺めている。
夜だから当然暗い。
ここはどこの病院なのだろう?
街灯があまりから山の辺りなのか?
それにしても疲れた。
演技というのは、なかなか疲れるものだ。
そんな訓練した事なかったからなー…。
みんなを上手く騙せたからよかったものの…騙せなかったらどうしようかと思ったぜ…。
消灯時間は過ぎ、病室も暗い。
だから俺は何も出来ない。
意識がなくなったからなのか、疲れてるはずなのに眠れない。
仕方ないから俺はトイレに行く事にした。
暇な時は何故こんなにも時間が経つのが遅いんだろうな…。
ペタペタとスリッパを床に擦りながらトイレに行く途中、看護師に遭遇した。
多分、見回りだと思う。
「あら?どうしたの?トイレ?」
「んーん。冒険してるの。なんたって僕は勇者だからねー。」
「あら、それは頼もしいわね。でも、おとなしく寝てないとダメよ?私が病室まで付いて行ってあげるから。ね?」
ニコリと笑って看護師は俺の手を掴んで病室へと連れ戻した。
こんな夜中にも演技するとはなー…。
こりゃ看護師とまた遭遇でもしたら面倒だ。
おとなしくベッドにいよう。
あの看護師も信じ込んでたな…。
まさか…俺は演技の才能あるんじゃね!?
…そんな馬鹿な事を考えているうちに俺は夢の世界へ引き込まれるように眠りについた。
希美奈とイチャイチャしてる夢見れたらいいんだけどなー…。
だって俺は記憶がなくなってるわけではないのだから…。

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