CRISIS。
▽11.(1/11)
「大和、久しぶり!」
「久しぶりではないだろ、2年も会わなかったこともあるし」
兄貴と日和が離婚した日から、2週間と3日が経った今日。
俺は兄貴の家に来ていた。
「明らかに女住んでるだろ、ここ。」
あちらこちらに置いてある、可愛らしいぬいぐるみや化粧品や雑貨。
「バレた?」
「切り替えはえー」
「違うよ。押し切られたんだよ、海音に。」
……まじかよ。
俺、少し海音ちゃん苦手。いなくてよかったとか思ってしまった。
「海音って大和に似てるんだよね」
「どこがだよ」
「一途なとこ?
俺と日和が結婚してからも、ずっと俺のこと好きだったんだって。
大和みたいだね。」
はは、っと笑いながら言った兄貴は結構幸せそうで安心した。
まぁ、これからが問題なんだけど。
「俺、めっちゃ怒られました。」
「兄貴だけが悪ぃわけじゃねぇのにな」
「大和ーっ」
「わっ!やめろっ、抱きつくな!」
両手を広げて抱きつこうとする兄貴から逃げて、睨みつける。
兄貴は離婚したことと、日和が俺と再婚することを両親に話に行ったらしい。
兄貴は馬鹿だから、自分が悪いことしか言わなかった。
そりゃ、怒られるわ。
そしてこれから、俺と兄貴は実家に帰る。
もちろん、両親に今後の話をしにいくため。
俺はとりあえず、兄貴への誤解を解きたい。
「そろそろ行こうか」
「あぁ」
母さんと父さんに会うのも2年ちょい振り。
こんな形で会うことになるなんてな。
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