CRISIS。

▽3.(1/19)









講義が終わり、帰ろうとするとまた現れた、ストーカークルクル女。


「大和先輩!待ってたんです!一緒に帰りましょ〜」


当たり前のように腕に絡み付いてくる彼女。
わざと胸押し付けてくるし、露出度高いし、痴女かよ。



……あれ?朝より臭くない……かも。


なんとか一緒に歩けるくらいにはにおいが無くなってる、気がする。






「大和先輩が臭いって言うから、香水つけた所めっちゃ洗ったんですよぉ?」


「へぇ。」


そうなんだ。まぁ、どうでもいいわ。






彼女を気にせずいつものペースで歩くと、彼女は必死に着いてくる。


てか、どこまで着いてくるんだ。もうすぐ俺ん家着くんだけど。


「ねぇ」


「なんですかっ!?大和先輩から話し掛けてくれるなんてっ!!」


なんでそんなに喜んでんだ……ねぇ、って言っただけなのに。


笑顔で見てくる彼女から目を逸らして、立ち止まる。


「いつまで着いてくるの?」


「どこまででも着いていきますよ〜」


「いや、帰って怖い」


「嫌です!!先輩ん家に一緒に帰る!!先輩のお嫁さんになる!!」


「意味わからない……」


「つまり、先輩と一緒に居たいんですよ!!」


「……なんで?」


「好きだからです!!大和先輩大好き!!」


……話にならない。帰る気無いみたいなんだけど、どうしたらいいんだろう。


これが日和だったらめちゃくちゃ嬉しいのに、他の女ってだけでうざったいとしか思えない。



俺のどこがそんなにいいんだろうか。




「……はぁ。」


このまま帰るとは思えないけど、ずっとここにいる訳にもいかないから家へと足を進める。


当たり前のように着いてくる彼女。


鼻歌なんか歌ってるけど、着いてくることを許可したわけじゃないからね。







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