邁進ランドにかける原液
[第6章](1/5)
「結局ゆふねは どんな恋愛がしたいの?」
ニシヤじゃなかったらその質問
まあまあキモいぞ
もうすぐ学校が始まるから存分に楽しもうってことでニシヤが泊まりに来てたわけだけど
その延長で飯に来た。
「んー?めちゃくちゃ楽しい恋愛。やっぱ面白い人すきだからさあ。きゃっきゃしたい。あ!ラインきた〜♪…みたいなね。」
懐かしいな
そうそう、僕が絵本作家だと知っているのは
おんちゃんとニシヤだけだ。
「びっくりした。
まじで誰かからライン来たのかと思った。」
「あ、きてないきてない。ふっ。」
本当にびっくりしてたのが分かって僕は思わず吹き出した。
「でもさ、本によっては主人公の言ってること変わってくるじゃん。あと、もしこれから付き合う子が『え〜楽しいだけじゃヤダァ、どんだけ〜』みたいな感じだったら どうすんの?」
ファミレスにある三段腹みたいなソファーの上でメニューに目を通してた。
「あははっ。まあそういう子すきになっちゃったんならちょっと合わせるかもだけど。お前が今 演じた奴は確実にヤダ。」
あーお腹いたい
笑いが止まらない。
「まあな、やりすぎたな今のは。俺だったらその子自身を染めちゃいたい。おれの楽しさだけで満足させる。」
ニシヤはコレにする、とチーズinハンバーグの写真を指差した。
まあな、
刺激がほしいとか言ってる女の子は
長続きしなそうだしなあ
落ち着いてって思う
ちなみにそういう人、おれの友達にいるわ
そいつは いい奴だけど
「そりゃあさ別に本にルールとか無いもん、書く分には毒とか影があった方が日本人受けしそうだし。てかあんなの物語にすぎないよ。合ってるのは一部だけだよ。おれは幸せになれれば いいや。」
「そうだよな、日本人てなんか
消極的でネガティブなイメージなんだよ。まあそんな俺らも持ち合わせてる面だから仕方ないっちゃ仕方ないけどねー。ゆふねは幸せ顔だから大丈夫だよ。」
「幸せ顔ってなんだよ。福耳だしな。
ニシヤもそうじゃん。」
そう俺は、この福耳に絶対的 信頼を寄せてる
うーん
チキンとソーセージのグリルにしよっかなー
どっかの誰かさんは
すぐになんでも真に受ける
「ありがと。はあ、
すっげー楽しい付き合いがしたい。
バカップルでいいからさ。」
あの人、根は真面目だった
「うん、好きならバカになれる。
俺の場合、考えすぎて変になったけど。
決めた。これにしよ。 」
メニューの写真を指差した。
でも真面目に限る
「それってしっかりバカになってんじゃん。」
ニシヤは僕の指先を見てから
うんうん、と頷いた。
確かにな
テーブルの隅にあるボタンを押した。
真面目にバカでいたいんだ
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