モブ側ラブストーリー
[真っ直ぐ奴](2/21)
「…すみません、バイト終わったらすぐ帰るようにお母さんに言われてて……」
「5分でいいんだ、待ってるから、お願い」
そう言い、私の返事を聞かずに帰って行った高橋さん。
……いや、強引だな。
駅近のケーキ屋で働いてることは話したことあるから、きっと勤務先は把握されている。
なに?待つってなに?どこで待つわけ?は?超嫌なんですけど??
「えー!絶対告白じゃん」
席に戻るとマリコが大きな声で冷やかしてくる。ウザいウザい。
「私もうすでに高橋さんのこと2度も振ってるんですが」
「あんたが変に気持たせるようなことするからでしょ」
「え、してるか?」
「この前一緒に帰ってたじゃん」
「いや、でも朝日も一緒だったし…」
「あんたのそういう煮え切らない感じの態度が良くないでしょ。付き合う気ないならハッキリ言いなよ」
付き合う気はないけど私のことは好きでいてほしいと思うのは駄目?
言い方悪いけどキープはしときたいじゃん。
だって、私のこと好きだなんて言ってくれる人なかなかいないんだもん。
マリコの言っている事はわかる。私はクズで最低である。
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