モブ側ラブストーリー
[真っ直ぐ奴](1/21)


翌日、朝日から何か言われるかと構えていたのだけど何も言われることはなく昼休みを迎え、
マリコとお弁当を食べていた時だった。


「宮下さん、呼んでもらえる?」


教室の前の方の扉から声が聞こえてきて、私の視線は自然とそこへ向いた。


……うわ、高橋さんだ。


「宮下ー!たかはっさん!」


大声で私の名前を呼ぶのは、勝手に私の連絡先を高橋さんに教えた田中。同じクラスのサッカー部の田中だ。

マリコと目を合わせてから、箸を置いて扉の方へ向かった。

高橋さんとのメッセージのやり取りはなんだかもう面倒くさくなって、二度ほど既読無視をしたからなんか、変に気まずいぞ。


「どうしたんですか?」

「宮下さん、メッセージ返してくれないから、直接話しにきた」

え、ああ!すみません。バイトで忙しくて」

「そうなんだ、ちなみに今日の放課後って空いてる?」

「えーーと、今日は、バイトです!」

「あーそっかあ、じゃあバイト終わってから会えないかな?」


いつになくアグレッシブな高橋さんに、ちょっと引く。これ絶対なんか言われるやつやん。なんか私に伝えようとしてるやん。


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