モブ側ラブストーリー
[ブスよりのブス](2/14)


私を無視して席に着き、小テストの勉強をする山田くんと、その後ろで同じように単語帳を開くマリコ。

なんでテスト終わったばっかなのにまた勉強してんの?頭おかしいの?
私は勉強なんてしないよ、いつだって実力で勝負する。

2人に向かってそう言うと、いつの間にか教室に入ってきていた担任に単語帳の角を頭に落とされた。
いや、あの、角は駄目じゃない?

「実力ないくせに偉そうなことを言うな」


…言いすぎてない?

教卓へ向かって歩いていく先生の後ろ姿を睨みつけていると、朝日が教室に入ってくるのが視界に入って、パッと目を逸らした。

これは、私の朝日に対する「お前なんて見てないよアピール」だ。


朝日と目が合ったような気がしたけど、たぶん気のせい。


友達、友達。って。朝日とはずっと昔から友達なんだけど。それって私の下心も含めて成り立っていた関係だから。

今更友達始めるほど浅い関係じゃないし、かといってこれ以上進めない。

えりちゃんは、すごいな。
友達になったり、彼女になったり。というかそれ以前に、朝日の好きな人だった。好きな人に好かれるのってどんな気持ち?


振られたからといって気持ちが無くなるわけでもないし、無くす方法もわからないから、朝日のことをかき消すように、私はまた、里山のことを考えた。


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