モブ側ラブストーリー
[無きにしも非ず感](1/12)
「おはようございます」
「おはようございます!」
体調も随分と良くなったので、2日連続休むわけにもいかないと思ったし、今日のバイトは出勤した。
返ってきたのはマルちゃんの高い声。
店に入るや否や、私に駆け寄ってくるマルちゃん。犬みたい、可愛い。
「どうしたの?」
「あの!昨日…」
「…あ、昨日ごめん!代わりに入ってくれたんだよね?忙しくなかった?」
「いやそれは全然大丈夫でしたけど……」
「けど?」
マルちゃんは言いづらそうに、というか言いたくなさそうに、その大きな目で私を見た。
チワワのような、クリッとした大きな丸い目。
「お見舞い来てくれました?里山さん」
思いがけない質問に、固まってしまった。
お見舞いというのか、あれは。まだその辺の疑問は解決できてないから。
「里山さんに、宮下さんの家がどの辺なのかめっちゃ聞かれたんですよ」
「え」
「もしかして里山さんって、宮下さんみたいな人がタイプなのかな…」
「いや、ええ?」
本当に分からない。意味分からない。
昨日、里山が私のマンションの近くに居たのは、意図的だったのか?
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