モブ側ラブストーリー
[曲がりすぎ奴](2/11)
黙々とパウンドケーキを袋詰めしている里山を横目に、新作のレシピに目を通す。
別に作る訳ではないのだが、材料のことは結構お客さんに聞かれたりするし、覚えておかなければならないのだ。
「あ、ミヤちゃん」
「はい?」
厨房の方からチョイチョイ、と森さんに手招きをされ、ノコノコと近寄った。
「なんですか?」
「これ、新作の、さっきレシピ見てたでしょ。一応味も覚えておいて」
「えええ!いいんですか!?やったァァ」
「ほら、これ里山さんの分。ほら、今日店長いないし暇だし、2人パパッと裏で食べてきて」
「 」
「…いただいてきます」
あからさまに嫌そうな顔をした私とは裏腹に、ニコッと笑顔で森さんに返事をした里山。ん?なんだ?なんだその愛想は?
里山はケーキが2切れ乗った皿を森さんから受け取って、更衣室へと入っていった。
私は小さな紙コップを2つ持ち、お水を入れて里山に続いた。
- 26 -
前n[*]|[#]次n
⇒しおり挿入
⇒作品レビュー
⇒モバスペBook
[編集]
[←戻る]