モブ側ラブストーリー
[曲がりすぎ奴](2/11)


黙々とパウンドケーキを袋詰めしている里山を横目に、新作のレシピに目を通す。

別に作る訳ではないのだが、材料のことは結構お客さんに聞かれたりするし、覚えておかなければならないのだ。


「あ、ミヤちゃん」

「はい?」

厨房の方からチョイチョイ、と森さんに手招きをされ、ノコノコと近寄った。

「なんですか?」

「これ、新作の、さっきレシピ見てたでしょ。一応味も覚えておいて」

「えええ!いいんですか!?やったァァ」

「ほら、これ里山さんの分。ほら、今日店長いないし暇だし、2人パパッと裏で食べてきて」



いただいてきます」


あからさまに嫌そうな顔をした私とは裏腹に、ニコッと笑顔で森さんに返事をした里山。ん?なんだ?なんだその愛想は?

里山はケーキが2切れ乗った皿を森さんから受け取って、更衣室へと入っていった。


私は小さな紙コップを2つ持ち、お水を入れて里山に続いた。


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