モブ側ラブストーリー
[じゃない方](16/16)
小学生の頃はよく、えりちゃんとか朝日とか、その他もろもろで私の家のマンションの前の公園で遊んでいた。
朝日はずっとえりちゃんと2人でボールを蹴ったり、キャッチボールとかしていて、つまらなかったのを覚えている。
だって私、運動好きじゃないし。
お母さんに内緒で一度だけ、私の部屋にえりちゃんと朝日を入れたことがある。
本当はえりちゃんは部屋にあげたくなかったんだけど。えりちゃんが行きたいと言えば、朝日も行きたいと言うから。
ただソファに座ってお菓子を食べて、ジュースを飲んだだけだったんだけど。
一回しか、ないのになあ。しっかり部屋の番号覚えてくれているあたり、胸が苦しくなった。
朝日にとっての私は「その他もろもろ」ではなくて、確かに特別なはずなのに、そうじゃない。
そうじゃないんだろうな。
枕に突っ伏して、今日も泣いた。
私も、えりちゃんくらい可愛かったらな。
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