◎作り笑い (1/3)
『あ、あの、えっと…』
動揺しすぎてうまく
しゃべれないあたしを
じっと見てくる【先輩】
見られてるという恥ずかしさと
そよ風につられてほのかに
香る先輩のであろう甘い
香水の匂いにドキドキ
している自分に嫌気がさす。
この場をどうにかして逃げださなきゃ
と考えていたとき、
先輩がゆっくりと口を開いた。
「ここは、君が来る所じゃない。 君が思ってる以上に、ここは…汚れてる。」
また、あの時と同じ笑顔でそう呟いた。
汚レテル――――?
『え…汚れてるってどうい……ん…っ…!』
息が苦しくて上手く呼吸が
出来ない理由がわかったのは
先輩の唇が私の唇から
チュッという甘い音を
たてて離れた後だった。
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