Go to the Wonderful Day's
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そして次の日。
昨日はといえば、泉翔奈の家に行くこともなく夏川家に帰った俺。
帰り際、取り巻く女の子達に「今日は泉くんと一緒じゃないの〜?」的なことを投げかけられたりしたが勿論スルーで。
それでもまぁ無事に1日を終えたのである。
そして今、3限目を終えた俺は、トイレに行ったあと教室に戻るべく廊下を歩いているのだが………
ん?
あれは…何だ?
自分の教室の前の廊下で窓に寄りかかる泉翔奈が視界に入った。
その横には知らない男子生徒。
遠巻きに女の子達が泉翔奈をキャッキャと見てはいるが、明らか泉翔奈はその男子生徒と2人で話しをしてるようだ。
誰だよ、そいつ。
ちょっとくっつき過ぎじゃねぇか?
しかも何で笑ってんだよお前。
ムカつく。
取り巻きの女の子達とはわけが違う。
男と2人とか…マジ有り得ねぇんだけど。
もしかして昨日はそいつとヤッてたのか?
または、今日のお誘いを受けているのだろうか。
何かすげぇ腹立つな。
俺には他のヤツに欲情するなとか言ってたくせに。
俺の仲良くしてた女の子達の連絡先を全部切りやがったのに。
つーかな、俺も不特定多数のセフレのうちの1人なんてやっぱりどう考えても無理だ。
アイツが俺と同じように他のヤツを抱くとか。
嫉妬で狂いそうだ。
そして、気が付くと俺は、
「オイ、翔奈!」
と叫んでいた。
その声で、ゆっくりと泉翔奈が顔をこっちに向ける。
俺は目が合うと、すぐに親指でクイッと自分の方を指し、
「お前、ちょっとこっち来い」
と放った。
泉翔奈は一緒に居る男に一言二言何かを告げると、こっちに歩いて来る。
その余裕な顔も腹が立つ。
俺は近くまで来た泉翔奈の腕を掴むと、そのまま歩き出していった。
廊下を曲がり、階段をどんどん登っていく。
目指すは屋上。
きっちりとケリをつけてやる。
俺にだってプライドがあるんだ。
好きなヤツのセフレに成り下がってるままとか、有り得ねぇんだよ。
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