何でも短編小説屋

[ライフイズビューティフル](1/5)

＊ライフイズビューティフル

茶色く汚くなった
自分の左腕を見つめる
もはや白く浮かび上がっている
そんな傷もある

「汚い」

小夜子は自分への嫌悪を
はっきり口に出した

誰もいない部屋で

ふっとベッドの横に
置いてある
カッターナイフを見る
さっき右腕を
切りつけたばかりだ
右腕からは
まだ血がしたたっている

- 47 -