何でも短編小説屋
[未来を花束にして](1/2)
*未来を花束にして
君はめったに人前では
泣かない人だった
初めて見た君の泣き顔は
感情を表に出すわけではなく
ぐっとこらえて
けれどこらえてるようすも感じさせない
とても綺麗な泣き顔だった
僕が触れてはいけないと
そう思った
それ以来
君の泣き顔を見ることはなかった
僕は君が泣かなくなる
その前を唯一見たことがある
と思っていた
だから君の特別を知っていると
思っていた
それは大きな勘違いだった
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