白い殺人鬼と黒と赤
[Brown](1/6)
―――アルビノ。
生まれつき色素を構成する遺伝子が欠けていて、髪や肌などの色が真っ白である症状。
発症する確率は2万人に1人とされており、発症したものはその見た目から偏見や差別の対象となりやすい。

一部の国では「アルビノ狩り」と言われる虐待や殺人が報告されている。
真っ白なその人間の身体の一部や内臓は神聖な力を持つとされ、かなりの高額で取引をされるという。

「…………」

少女は、その存在を隠されていた。
貴族の屋敷に生まれたというのに、その真っ白な姿から両親さえも彼女を恐れ、地下のひっそりとした部屋に閉じ込められていた。
生まれてすぐに殺してしまわなかった理由は、父の親友の神父が命を捨ててはならないと引き留めたからであった。




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