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[第17章 サロンの誕生](1/20)
サロンの誕生

16世紀のフランスは、長年続いた宗教動乱のため、粗野な風潮が宮廷を支配していました。

こうした風潮に飽き足らず、優雅と洗練を求めたのがランブイエ侯爵夫人で、彼女は自分が幼い頃育ったローマの文化的な雰囲気にひかれ、それをパリに取り入れようと、邸を社交場に開放することにしました。

ここでは彼女を中心にセンスの良い会話や、自作の詩や小説の朗読、それに対する批評などが行われ、17〜18世紀フランスの知的生活を代表する「サロン」がここに誕生しました。

もともと「客間」を意味するサロンという言葉は、このときから特別の社交場を意味するようになりました。

ランブイエ邸には貴族だけでなく、当時の名だたる作家や芸術家も出入りし、1640年代まで全盛を極めました。

サロンの誕生は、建築物にも大きな変化を齎しました。それまで貴族の邸では、一つの大きい部屋が私室、食堂、客間などに兼用されており、貴婦人らはベッドに座って客を迎えることもありました。

しかしランブイエ邸では、これに代わって食堂、寝室、客間など、それぞれ独立した部屋が造られました。ランブイエ邸のサロンは青いビロード張りだったため「青い部屋」と呼び慣わされていました。

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