真瀬太一にはご注意を!
[アルコールパワー](1/6)
稲垣綾side
同期会の次の日だった
上司から真瀬先輩の送別会をやると聞いたのは。
送別会というか、頑張ってこい会というべきか
と上司は笑っていたけど
私は、寂しさと応援しなければという気持ちと
ごちゃ混ぜで、作り笑いするのが精一杯だった
なかなか会えなくなってしまう真瀬先輩に、
大好きな真瀬先輩に、
面と向かってさようならはきっと言えない
送別会行くべきだよね
私の中で、ちゃんと決別しないといけないよね
いや、社会人としてお世話になったんだもん
後輩として普通に出席すべき
はぁとため息をついても、
気持ちの整理がつくわけでも
目の前の仕事がなくなるわけでもないのはわかっているのに、
どうしても出るため息
これから、会社に来ても
オフィスには真瀬先輩はいない、会えない
顔も見れないんだと思ったら、
心臓がキュッと締め付けられた
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