真瀬太一にはご注意を!
[後悔が残るくらいなら](1/6)


お昼休みから戻ると、唯先輩が真瀬先輩と談笑してた




笑う二人、そこにある二人だけの空間



唯先輩から、真瀬先輩が好きだと
聞いたわけでもないのに
どうしてこんなに意識しちゃうんだろう


ただただ話してるだけじゃんか





はぁ

つい出てくるため息




そして、突然鳴る携帯



「もしもし」



その場を離れ、相手の声に耳を傾けるけど



「もしもーし?」



反応がなくて



そして




「こんちは」


「え、真瀬弟?」



まさかの真瀬弟からの電話だった





「もしかして番号登録してないんすか?」


笑いながら聞いてくるけど図星だ

すっかり登録せずに過ごしていた




「やっぱ勝ち目ないっすね〜」



そう吐き出すように呟いた言葉に
私はごめんと謝っていた




「俺でいいじゃんって思うけど無理っすよね」



俺でいいじゃん


私は

もし真瀬弟と付き合うなら

いや、真瀬弟に限らず
誰かと付き合う時は


この人でいいじゃなくて
この人がいい と思える人がいい





だから



「真瀬弟私は、真瀬先輩がいいの」




そう言ったら、真瀬弟は

そっかぁと笑っていた



やっぱり、私は真瀬先輩が好きだ


性格に難があっても。

私のこと遊びでも。



だから、この気持ちに気づいてほしいなら


私から、伝えるしか方法はない。





「背中は押さないから。それに応援もしないですよ?」


「うん」




でも、おかげでちゃんとぶつかってみようって


臆病な私を卒業しようって思えたよ





「真瀬弟、ありがとね」





そう伝えると、真瀬弟は


「後悔しないでくださいね」


一言残し、静かに電話を切った


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