裏表依存症
大津≡金沢 02
金沢 大と純情 《完》 (1/24)



洋輝を見つけたのは俺が高1の夏だった。

奴の第1印象は中坊でしかも1年だったからそれこそ毛が生えたかどうかってとこで、幼くて青くせー印象がした。

俺は何の部活にも入ってなかったが、その日たまたま軽音部の友達に誘われて歌いに来てた。
カラオケ代が浮くし、奴等も決まったボーカルがいないので時々友達を呼んでは歌わせていた。

しかもベースは俺に惚れていて部活が終わると毎回ヤってた。

断っておくが、女じゃなくて男な。

こいつは見た目こそいかにもバンドやってますって格好してるが、それ系の男を狙って軽音を始めたとのことだった。

そしてセックスはいたって普通だ。


俺は洋輝に出会うまで何人か経験していたが、まるで好きとか愛してると言う感情がなかった。
一旦は愛しい思いが募って好きになったかと思うけど気付くとそんな気持ちは全くなくて、ただ快楽を求めるだけとなっていた。


女もよかったけど、何より日常的なやり取りが七面倒くせーし、ポイントが分かってる相手の方が都合がよかった。
とりあえず男しか相手にできないってだけ。


手探りなペッティングやセックスよりGスポットが分かってる行為の方が、より気持ちよく効率よくいけるのは火を見るより明らかだろ。
逆に風俗とか経験の多い女はやりやすくて問題なかったけどな。


要はいかに気持ちよく極上にいけるかってことだった。

だが、そこには好きだとか愛してると言う感情がなければ到底求めている極上にはたどり着かない。
愛だとかがあってこそ至極だとは分かっていたが、その辺は中々…真面目になれなかった。
そして本当に極上を見る為に愛や好きを求めてるかどうかが、当時分からなくなっていた。





そこへ洋輝が現れたんだ。








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