裏表依存症
久里浜 和志の理解者 《完》 (1/12)




俺の良き理解者を紹介しよう。

蒲田 優里子
女だ。


小学生からの付き合いだから幼馴染みといやそぉなのかな。
先輩とのこともよく相談する。
俺は小さい頃から好きになる人はほとんど男の子だったんで、それについて本気で悩んでいた。
彼女は引きもせず、普通に相談にのってくれたり彼氏を会わせたりもしていた。

彼女を心底信頼したのはまだ中学の頃だったが、今もそれは変わらない。



中2の夏頃だっかな…
俺には好きな男の子がいた。
サッカー部でキーパーを務めている長沢 翔。
女の子からも人気のある色黒で硬派だけど冗談は通じる清潔感のある男の子だ。
加えて成績も良。
彼はもっぱらノーマルなので気持ちを伝えようなんて事はおくびにも考えてはいなかった。


しかし勘のいい女の子達は俺が好きな人を分かっていたようだった。

もちろん優里子にも告げてあったが、彼女は俺の一切を俺以外には語らないのでとりわけ杞憂すらしていなかった。


ある日勘のいい女の子の内1人に校庭にある部室裏に呼び出され俺は言われた。

「あの…、あたし久里浜の事が1年時から好きで……、あの…つ、つつ付き合ってほしいんですっ。」

彼女は確か1年の時からクラスが一緒の杉田 愛実(まなみ)。
どちらかと言うと大人しい方だが、時たま彼女の盛大な笑い声が教室に響くことがある、なんとなく見た目と内面にギャップがありそうな子だ。

正直こんな事を言われると思ってなかったので面食らった。
どうせ『キモいから学校くんな』とか『長沢君が可哀相だから近寄るな』の類を言われる覚悟でこの場へ向かったのだ。

しばらく沈黙して、答えた。
和志「俺に好きな人いるの知ってるだろ??だから無理だ。」



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