それぞれの恋
[近くて遠い](1/8)
いつも立ち止まる玄関の前
何度、立ち止まっただろう。
立ち止まるくせに、わたしはいつも開いちゃうんだ…。
物が少ないせいか
散らかることのない彼の部屋。
何度きても、慣れない。
まるで私をなんとも思ってないようなこの空間に…。
「…きたか。」
そう言っていつも、コーヒーを出してくれる彼
「ありがとう」
コーヒーを淹れた後は、
少しだけ窓を開けた部屋の隅で
2人にして何もはなさい沈黙の空間
でも、
今日は少し違うね。
なんとなく、わかってた。
いつかは、こんな日が来るような気がしてたのかもしれない。
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