勝負しようよ。
◇その後の二人(1/11)
*
「あなたのことが好きなの。」
「俺もすごくすごく好き」
――――――――――――
あれから一ヶ月が過ぎた。私たちは普通のカップルのように手を繋いだり外でキスしたりなんてことは全くなく、相変わらずの毎日を過ごしていた。
(まあ、今までこんな感じだったんだし、急にラブラブになんてなれないよね。)
私が一人でそんなことを考えていると、後ろから急に頭を叩かれた。
(うわ、あいつだ)
こんな器用な叩き方するのはあいつしかいない。叩かれているのにあまり痛くないし、少し優しさだって含まれている気さえしてしまうような叩き方。
まあ、叩かれている時点で優しいも何もないのだろうけど。
「なぁ、今度の日曜日遊園地行こうよ!」
私がいろいろと考えている事に気付く様子もなく、あなたは勢いよくそう聞いてきた。
遊園地…デートじゃん…
「行きたい!」
「うわっ、お前の答え方ちょー幼ねー。」
だれのせいだと思ってるの。あんたが幼いんでしょ。しかも遊園地だよ遊園地。
「ん?何か言ったか?」
うわ、地獄耳!
思ったことを口にしていたのか、聞き取られてしまった。
まぁ、何はともあれ、楽しみだな遊園地。
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