プリンセス・ドラマチック
[輝ける場所、輝かす人](1/10)
10月が終わり、夜はだいぶ冷え込むようになった

そんな事はどうでもいいくらい、世間、そして僕達が衝撃を受けるような大事件が起きた

結論から言えばそれで僕は大きく後悔をした

「お前それはアイドルに興味無い俺ですらドン引きレベルのやらかしだわ…」

「なんで英玲奈ちゃんから招待券貰ってるくせに行ってないかな…それであんな大発表聞き逃すなんて愚か者もいいとこだよ」

大輝や若菜の言う通り、僕はやらかしている

あの封筒の中身は英玲奈ちゃんからの【ドリーミングプロダクション】合同ライブの関係者席のチケットと、1枚の手紙

「でもさ、関係者席だよ?関係者席

よく関係者席は外道とか聞くし、そもそも別に関係者って訳でもないし…」

「「馬鹿野郎!」」

行かなかった理由を簡単に話したら2人に怒られた

ちなみにバイトは休みだったからそこは言い訳には出来ない

「あのね、関係者席は外道ってのはあくまでいつでもそれを使える立場だったり、当落選を楽しみにしてる層の言葉であって、ユウトなんかは絶対に行った方が、よか、った!」

オタク特有の早口かと思ったら、最後は絞り出すように言った若菜の気持ちを僕は既に知ってしまっている

「関係者、関係者じゃないとか何基準なんだよ?メンバーから直々に招待されてる時点で無関係ではないだろ」

大輝の言うことももっともな気がしてきた

「「それに」」

「結果論だろうけどよ、今回は」

「今回は」

「わかってるよ!だからこうして後悔してるんじゃんか!」

そう、今回の合同ライブは

『私、望月英玲奈は、』

あんな大事件があったのだから



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