プリンセス・ドラマチック
[夢と現実](1/10)
夏休みが終わって1ヶ月がたった

結局あれから英玲奈ちゃんとは会ってない

連絡先を知ったとはいえ、連絡したのはあの時きり

こちらから連絡するのはオタクとしてタブーな気がして出来ていない

だからlaneの友達、履歴には彼女がいるけど、僕はあの日々を夢だと思う事にして

彼女への淡い恋心を忘れよう、そう思っていた

オタクとアイドルの距離は近いようでとても遠い

そんな事は分かっていたつもりだけどこう実感するとより分かる

「ユウト?ユウト〜?まただよ矢野くん」

「おい!はぁ、起きろ!」

「っ!?ごめん、何?」

それから前にも増して若菜と大輝と3人でいる時間が増えた

でもその分ボーッとしてる時間も増えた

「最近ちょっと意識どっか行き過ぎだろ?それでバイトとか大丈夫なのかよ」

「これがバイト中はしっかりしてるんだよね」

「2人といるとなんか安心してボーッとしちゃうんだよね…」

それは紛れもない本音だけど

「全く、そう言われると悪い気はしないんだよ…」

「ほんとに」

心のどこかで彼女と、英玲奈ちゃんと会える事を願っている時間でもあった



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