あなたが大好きで大嫌いでした。
[ナンパ](1/5)
これは、私が屋台のバイトをしていた時。
高校2年生
夏
「そっち終わったらあとは夕方まで楽にしててー」
「わかりました!」
お祭りの屋台の仕事なんて、ギャルやヤンキーみたいな人達がやっていて
上にはヤクザがいると思っていました。
でも、実際は本当に普通の人達で
ちょっとそれなりに事情がある人達でしたが
優しく楽しい職場でした。
「これでよしっ」
私は高校1年の頃から本格的にバイトに入っていた為、1人で一つの屋台を任せられていた。
子供相手にするバルーンの屋台。
くじの紙をバラかしてカゴに入れた。
「夕方までなにしよう。」
そう考えている時でした。
「すみません、」
山Pと亀梨和也を足して2で割った様な男性が話しかけてきた。
「はいっ」
高校でも男の子とは話すのが苦手な私。
突然のイケメンからの声かけに心臓は飛び跳ねる。
「これって当たらないと貰えないですか?」
そう言って指差したのは1番最下位の番号で貰う女の子用のキャラバルーン。
「お金、沢山出すので譲ってもらえませんか?」
本当に欲しそうな顔で言うイケメン。
「あ、あの。それ、普通に当たると思いますよ!」
私の言葉にパッと顔を明るくした。
「じゃぁ、やらせてください!」
お金を貰えばくじなんて引かずに渡しても良いのだが、一応ルールなのでくじを引いてもらう。
「34番…」
「好きなのをどうぞ!」
彼は欲しがっていたバルーンを手に取るとありがとうと笑って行ってしまった。
時間外に売れる事なんて無かったから凄く嬉しかった。
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