☆+゚[半信半疑](1/9)
梅雨の月、六月。
強い雨が降り注ぐ中、私は帰路を歩いていた。
「はあ……あっ」
重い溜め息をついたと同時に強い雨とまるで強さを競うような強い風が一瞬吹いてきて、傘がコンクリートに叩きつけられた。
それにまたしても溜め息をつきながら傘を拾い上げようとしゃがみこむと、ある事を振り返った。
極度の人見知りである私に積極的に話しかけてくれた子がいた。その子の名前は小嶋 亜紀(コジマ アキ)。亜紀は私の唯一の友達になった。
友達ができたことに嬉しく思い、亜紀の"ずっと友達だよ"という言葉を信じた。
そして、一年経って私と亜紀はクラスが離れた。
それがきっかけとなり、新しい友達ができた亜紀は二ヶ月経った今も、私と絡もうとはしなくなった。
さらには今日、親の転勤により転校することを亜紀に告げると「じゃあね」の一言で終止符を打たれた。
そして私は酷くショックを受け、人間不信になったのだ。
私は悔しくて悔しくて、膝を抱えて泣いた。
強い雨が涙を隠すように全身を濡らした。
裏返しになった傘には雨水が溜まっていた。
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