黒歴史は白の中
[04](1/7)
《 04 》
秋「……はぁ」
陽「どしたのー?今日ため息多いね」
秋「長くなるんで話しません」
陽「なにそれ(笑)」
秋「話せば長くなるんだけどぉって、女子特有の話し方じゃないですか…はぁ 」
陽「別にいいじゃんか。なに?仕事の合間になるけど、聞くよ?」
秋「……いいっすか?」
陽「うん」
あくる日。
俺は婚約者と呼ばれる女と一夜を過ごした。
あ、いや。誤解を生むな。
親の勧めで外泊をした、が正しいかな。
土曜日の昼に出かけて日曜日の夕方に戻ってきたって事。
まぁ、勿論1夜の過ちなんてもんは一切ない。
だって、お互いに何の感情も抱えてないから。
相変わらず向こうは一切話し掛けて来ることはなく、話題は全部俺から。
俺の運転で出掛けたけどまじで地獄だった(笑)
俺も途中から話題を考えるのも、話すもの面倒くさくなって話すのを止めたら解散するまで本当に何も話さなかった。
風呂も適当にお互いの都合で入りに行ったり寝るのも同じ部屋だったけども、適当に寝てた。
俺が起きた時には既に起きてて全ての準備が終えてたのにはビビったけどね。
それを池崎先輩にドバーッと。
もう俺はしんどくてしんどくて仕方なかったとそれをわかって下さいって。
俺を慰めてください、と縋り付いた。
陽「なんだかねー難しいね。私には理解できない世界だからなぁ」
秋「うっうっ(泣)俺が可哀想(泣)」
陽「よしよし。先輩がコーヒーを奢ってあげよう!」
秋「うっうっ(泣)先輩がいつまで経っても俺の好みを覚えてくれない(泣)俺、コーヒー飲めないのに(泣)」
陽「あ、ご、ごめんじゃん!ほ、ほら、好きな飲み物勝手あげるから、ね?ほらほら」
秋「買ってきてくれない…まさかの連行スタイルですか」
陽「文句ばっかり!!慰めてーって言う割には素直に応じないのなんなの!」
秋「先輩は少し人との関わり方を学んだ方がいいですよ」
陽「なんなの?!本当に腹たってきた!!」
ぷんすか、と頭に文字が出てるのが分かるぐらいぷんすかしちゃった先輩を、笑いながら追いかける。
本当に喜怒哀楽が激しくて可愛いなぁ。
俺の婚約者もこんな風な人だったらもっと楽しくて、毎日充実してたはずなのになぁ。
そんな事をメソメソ考えながらほっそい腰をクネクネさせながら前を歩く先輩の背中に何気なく。
何気なく手を添えてみると
「ふにゃぁ///!!」
と。
先輩の口から聞いたこともない声が廊下に響いてしまい。
手を引っこめる余裕もないぐらい、焦ってしまった。
ふるふる肩を震わす先輩はゆっくり俺の方を振り向くと鬼の形相で俺の事を全力で殴りに掛かってくる。
まぁ、ちんまい先輩なんて余裕で止められるんだけどね…
陽「馬鹿馬鹿馬鹿ー///!!!!!」
秋「あー…やー…まじすんません」
陽「なんであんたが引いてんのさ///!!酷い///!私が被害者なのにー///!」
秋「引いてるんじゃなくて頭が追いついてないのが正解ですね」
陽「セクハラで訴え……え、し、白?」
秋「…」
白「なに、してんの、お前」
秋「…んえ?俺っすか?」
白「お前以外にひまりがあんな声出す理由あんの?」
陽「し、白!あ、じゃなくて…菅原くん!!ここ、会社!」
突然現れた菅原さんは俺を叩く池崎先輩の手を掴むと、俺が知ってる菅原さんじゃない顔と声と話し方で、俺を威圧的に見てくる。
池崎先輩の声にハッとした表情をして、いつもの表情に戻すとにっこりと笑い
「女性の体に気安く触れるのは、あまり良くないと思いますよ」
と。
繕った笑顔でそう話しかけてきた。
秋「…えーと、俺はどこから突っ込めば」
陽「なにが?まずは私に謝罪でしょ」
秋「いや、あんなエロく腰振ってたら触りたくなるでしょ」
陽「ならんわ///!!今まであっきぃの前何回歩いて来たと思ってんの///?!」
白「とりあえず。あんな声は流石に卑猥過ぎるので、控えて頂けると助かります」
陽「私?!注意されるのは絶対私じゃないよね?!」
白「ここは一応会社なので…戯れも程々に」
「菅原くん!大丈夫かい?急に走り出すから」
白「すみません。少し気になる事があって…お時間取らせました。失礼します」
秋「……あのー…聞いていいです?」
陽「だめです。絶対答えません」
秋「あれが菅原さんの素っすか?」
陽「ケーキバイキングのクーポンくれるまで口聞きません」
秋「あれ?!俺が慰められる時間でしたよね?!」
陽「あんたなんか絶対慰めない!!」
秋「ぇえー…」
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