そこが奈落の果てだとしても
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その日のその瞬間、私は一人だった。
いつも登下校を共にする友達は、インフルエンザで欠席で、
でも、他に一緒に帰る人間を探すほど、一人が嫌いなわけでは無かった。
だから、学校から最寄り駅までの十分弱の道のりを、ただ一人で、歩いていた。
二十メートルくらい先に、クラスメイトの存在を確認しながら。
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