月明かりによって青く照らされた、屋敷の一室……。
壁に沿うように立てられた本棚には難しそうな本がぎっしりと詰まっており、高そうなアンティーク性の机の隣には鎧が飾られていた。
薄暗い部屋の中、片隅にある天秤ベッドに一人の男が仰向けの状態に横たわっていた。
スヤスヤと眠っているわけではない。
灰色の髭を生やしている彼は、目をカッと見開き、どこも見ていない……。口は大きく開けていて、その周りには血が大きく飛び散っている。そして、左胸には西洋でよく見るような両刃の剣が刺さっており、そこから白いバスローブを真っ赤に染めてベットのシーツにも浸透していた……。
一目瞭然であろう。
死んでいると………。