模索 1 [「あたし」の素性](1/32)
「つきましたよ。ここが、星名家です。」
「うわぁ。おっきーい…」
ここはお城ですか!?って言いたい。
「では、お部屋までご案内します。」
連れて来られた部屋は、可愛い女の子仕様のお部屋。
「わッ!可愛い!」
「お気に召されて光栄です。この部屋は、あなたの執事に用意させたんですよ。」
「執事!?」
執事って、ほんとにいたんだ…漫画の中だけじゃなかった…
「では早速ですが、事の成り行きを話します。あなたは…」
*********
今まで、お父さんもお母さんも冷たくて、いつも部屋の隅でビクビクしてたっけ。
なんで生んだんだろうって、いつも思ってた。
気付けば、幼馴染みの子達も引っ越したりで離れて行ったし、ずーっと一人だったよね…。
友達がいない訳でもないけど、どこか壁をかんじてあまり心を開けなかったなぁ。
あたしは、これからも一人で寂しく生きていくのかな。
*********
「…さん。…あさん。るちあさん!聞いてますか?」
「ふぇ!?」
「るちあさん。聞いてました?私の話。」
「えぇーっと…」
ヤバい。色々聞いてなさすぎる!!
「聞いてませんよね?ずーっと上の空でしたもんね。何か悩み事ですか?」
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