3章-2.想い出綴り ( 1 / 1 )
…あれから幾年経った頃だろうか。
かつての少年と少女―巧と茜は,互いに文通をし合う仲になった。
此れは…其の時の手紙だ。
『都築 茜さんへ
貴女はあの日の事を覚えていますか?
僕は未だに覚えています。
夕陽に染まった土手や,貴女のあの時の姿―どれも忘れられない記憶となっております。
もし宜しければ,再びあの場所でお会いして頂けないでしょうか?
お返事お待ちしております。
飛田 巧』
『飛田 巧君へ
はい,分かりました。
では,明日のお昼にお会いしましょう。
お便りありがとうございます。
都築 茜』
―2人は結局,こうした内容の手紙を出し合うだけだったのだが,其等の中でも此の手紙は,互いに心に残る思い出となった。
「…今,相手は何処に居て,何をしているだろうか?」
―其の想いは,当時と全く変わらぬまま,2人は今は別の街でそうした考えを巡らすのであった…。
[3章 了]
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