セイヴィアーA Legend of the Twilight Princess.
[蒼華の皇女編 【娯楽】](1/9)
【娯楽】
鷺ノ宮 玲華は、職員室でポーッとしていた。
ダメだダメだ。仕事に集中出来ない。
だって、だって、好きな人からデートに誘われたんだもん。
随分と年下で、しかも教え子に恋をしてしまうなんて、教師としてあるまじき姿だ。
今までは生徒からデートに誘われても、教師と生徒は恋愛しちゃいいけないって流して来たのに…。
玲華が、そんな悩みを抱えているとは露知らず、同僚の男性教師が話掛けて来た。
「これはこれは、鷺ノ宮先生。お顔が優れない様ですが、何か悩み事ですか?」
この男性教諭は玲華の二つ上の先輩だった。
「あ、浅倉先生。ご心配して頂いて、ありがとうございます。でも、大丈夫です」
玲華はこの男がどうも苦手だ。
「いえいえ、そうは見えません。私が貴女のお悩みを聞いて差し上げますよ。そこでどうでしょう。明日、一緒にお食事でもいかがですか?」
明日という単語を聞き、玲華は困惑する。
「ごめんなさい。明日はその…ちょっと予定がありまして…」
浅倉教諭は、玲華に誘いを断られた事が相当ショックだったのだろう。
造りのいい顔が台無しになっている。
「よ…、予定、ですか?もしやデート…だったり?」
デート。
その言葉に玲華が反応し、カァァァァっと頬がリンゴの如く紅く染まる。
「そ…そうです…か。邪魔をしましたね…あは、あはは…楽しんで下さい…ね」
浅倉教諭は撃沈し、自分の席に戻る。
「やーい、フラれてやんのー」と他の男性教諭に話し掛けられ、浅倉教諭は「うるさい!」と泣き始めてしまう。
しかし、玲華はその事に気付く事は無い。
何故なら、玲から誘われた日付けも明日なのだから。
急すぎると思ったが、折角の高級テーマパークでのデートのチャンス。
お姉さんである、私がリードしなきゃ!
玲の周りにいる女子生徒には申し訳ないけど、私だって恋する乙女の一人なのだから。
こらそこ!良い歳こいてとか言わない!
明日を楽しみにしつつ、今日の仕事を急いで終わらせる玲華だった。
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