セイヴィアーA Legend of the Twilight Princess.
[古代の機械神編 【琥珀】](1/11)
【愛】
「…ん…ここは?…あ、この感じ、玲の家…か」
愛が目覚めると、自分の部屋では無い事に気が付いた。
そして、辺りを見渡していると、ここが真静玲の家である事を思い出した。
意識がはっきりとしてきた。と同時に自分が今どこに居たのかという状況がはっきりと視認出来た。
「(…ってなんで私、玲のベッドで寝てるのー?!
え?え?
それってつまり“そういう事”?)」
男性の家で、しかもベッドに寝かされていた。
それが意味する事は、つまり私は玲に…。
悶々と色々考えていると、突然部屋のドアがガチャリと音を立てて、開いた 。
「愛…?良かった…目が覚めたんだな…お前」
何故か解らないが、玲は安堵の息を漏らしている。
「ちょっと!玲!
私どうしてあんたのベッドで寝てたの?!
あの、その…こういう事は、お互いの意思が大事って言うか…
私にも心の準備とか色々と必要な訳で…うわーん」
私は、感情が抑えきれなくなって泣いてしまった。
「おい、落ち着けって、愛」
「だって、私初めてだったんだよ?!
初めてってやっぱり特別じゃん!
それなのに、私の眠ってる時にするなんて…信じらんない!
玲のバカ!」
私は布団を被って枕を濡らした。
って何やってんだろ…私。
「愛、信じてくれ。俺はお前が泣く様な事は何もしてない。だから泣くな、な?」
玲の言葉に耳を疑った。
何もしてない?無防備にずっと寝てたのに?
私は布団から顔を出し
「…この根性無し!」
「はぁ?どうして俺が怒られんだよ!?」
「そりゃそうでしょ!女の子家に泊めといて何もしないとか、あんたってホント根性無いわね!」
私はそう言って再び布団を被った。
怒っていたからではない、嬉しかったのだ。
玲が寝込みを襲う様な卑怯者でなかった事に。
嬉しくて、赤面した顔を見せるのが恥ずかしくなったのだ。
それに、結ばれるなら二人がお互いを感じあって、愛し合いたいもの。
出来れば、あなたと…。
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